






WAN IPをもつということは、先に説明したとおり、地球規模でのネットワーク(WAN)となります。
ルータが、WAN IP を取得した状態は、地球規模で「唯一無二」の存在であることがわかります。

ルータから宅内側のネットワーク(LAN)について説明します。 赤丸で囲った部分です。

これも、IPアドレスによる、ネットワークとなっています。
便宜的に、LAN IP(ローカル・エリア・ネットワーク・IP)アドレスといいます。
ルータは、「WAN IP」を一元管理するほかに、宅内用のIPアドレスを別途、持っています。
エレコムのルータを例とした場合、以下となります。
エレコムルータの場合 |
ルータ |
192.168.2.1 |
各パソコン |
1台目:192.168.2.100
2台目:192.168.2.101
3台目:192.168.2.102
が、ルータから自動で付与されます。
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・地球規模(WAN)でみれば、ルータは、「唯一無二」のWAN IPによるネットワークに参加。
・宅内(LAN)でみれば、ルータ配下は、192.168.「2」.xxx のネットワークが構築されてます。 |
LAN内においてはルータを始め、全てのパソコンも、3番目の数字が「2」になっています。
これを「セグメント」といいます。
LAN内のネットワークはすべて、「2」のセグメント(グループ)です。
重複のないIPアドレス(名前)になっていることがわかります。
これが、ローカルなネットワークとなります。


ルータは、WAN IPを一元管理する以外に、別途、192.168.2.1 というIPアドレスをもっています。
※エレコム・ロジテックルータの場合です。
これは、WAN IPのような、「唯一無二」のIPアドレスではなく、LAN用の汎用的なIPアドレスとなります。
また、自分の配下になる端末(パソコンやスマートフォン、ゲーム機等)に、IPアドレスを振ります。
イメージは以下をご参照ください。





ルータが名前(IPアドレス)を付与することで、同じ「2」のセグメント=仲間になりました。

ルータへの接続手段が、無線(Wi-Fi)でも同様です。



無線も同様に、ルータが名前(IPアドレス)を付与することで、同じ「2」のセグメント=仲間になりました。

以下に記載する3つとなります。
ルータの機能 |
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1.「WAN IP」の一元管理。
(自分に接続された複数の端末をインターネットに繋げる) |
2.自分に接続された端末に「LAN IP」(例:192.168.2.xxx)を付与する。 |
3.異なるセグメントをルーティング(橋渡し)をする。 |
これが、ルータの仕組みであり、ルータの機能となります。
※ 3.については、本コンテンツでは割愛いたします。

ルータがある、スタンダードな環境例です。

・有線は、イーサーネット(または、ローカルエリア接続)アイコン。
・無線は、Wi-Fi(または、ワイヤレスネットワーク接続)アイコン。
以下の接続アイコンに、ルータから、IPアドレス(192.168.「2」.100 ~ の連番)が付与されます。
名称 |
イメージ |
有線(LANケーブル) |
Windows7以下 |
Windows8以降 |
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ルータから、上記接続アイコンのIPv4アドレスに
「192.168.2.100」が付与されています。
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無線(Wi-Fi) |
Windows7以下 |
Windows8以降 |
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ルータから、上記接続アイコンのIPv4アドレスに
「192.168.2.101」が付与されています。
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以下の場合、ルータが付与したIPアドレスは、同じセグメント(この場合「2」)であるため、
ルータが一元管理している「WAN IP」を経由して、インターネットができるのです。

なお、ルータからパソコンに、IPアドレスが付与されているかは、以下操作で確認可能です。
インターネットの通行手形(WAN IP)の一元管理と、自分に接続された有線・無線の端末にIPアドレスを付与する
これが、ルータによるインターネットの仕組みです。

WAN IPは、契約においてひとつしか付与されない為、全体の環境を考えて設定しないといけません。
特に、「PPPoE」によるISPとの接続方法においては、機械にISPから提供された
「認証ID」、「認証パスワード」を登録しなければ、WAN IPが付与されない為、必ず設定が必要です。
それでは、二重ルータの環境について説明します。
以下の2つを前提とします。

ルータ名 |
IPアドレス |
説明 |
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192.168.「1」.1 |
各々、ルータの
IPアドレスの
セグメントが違う
前提で説明します。 |
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192.168.「2」.1 |

ルータ |
受口 |
説明 |
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ルータの背面には、2つの異なる受口
(青と黒)があります。
青の受口の場合は、異なるセグメントでも
(例:192168.「2」.1 → 192.168.「1」.1」)
ルータの機能で
ルーティング(橋渡し)が可能です。
今回の内容は、
黒の受口(ルーティングなし)に
接続している前提で説明をします。 |
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<補足>
ルータ「A」からのLANケーブルをルータ「B」のどのポートに挿すかで
動作が異なります。
ルータ「A」からのLANケーブルをルータ「B」の
「青」の受口に挿した場合は、これから記載する内容には当てはまりません。
※この場合、インターネットは可能です。
これから記載する内容は、
ルータ「A」からのLANケーブルをルータ「B」の
「黒」の受口に挿した場合の例となります。

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ルータ「A」でインターネット環境 している図です。 |

・ルータ「A」が「WAN IP」を取得しているものとします。
・ルータ「A」のIPアドレスは、192.168.1.1
・ルータ「A」の配下は、「1」のセグメントでIPアドレスが振られています。
この環境にて、パソコンからインターネットがみれています。
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ここに、ルータ「B」をいれました。 |

・ルータ「A」が「WAN IP」を取得しているものとします。
・ルータ「A」のIPアドレスは、192.168.1.1
・ルータ「B」のIPアドレスは、192.168.2.1
さて、パソコンからインターネットは見れるでしょうか?
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パソコンは、ルータ「B」の配下になるため、IPアドレスがかわります。 |

・ルータ「B」のIPアドレスは、192.168.2.1
・パソコンは、ルータ「B」からIPアドレスが振られるため、「2」のセグメントになります。
192.168.1.100 → 192.168.2.100
192.168.1.101 → 192.168.2.101
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パソコンは、WAN IPをもってるルータ「A」とセグメントが違うネットワークとなります。 |

・ルータ「A」とルータ「B」は物理的に接続されていますが、
・IPアドレスの視点でみた場合、セグメントが「1」と「2」とまったく違うネットワークです。
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結果、インターネットは見れません! |

・ルータ「B」は、自分の配下に、「2」のセグメントを付与しています。
・インターネットを見る通行手形のWAN IPをもっているのは、
「1」のセグメントをもっているルータ「A」のため、
「2」のセグメントのパソコン達は、インターネットが見れなくなります。
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結論は、二重ルータの環境にしないことお勧めします。 |
ルータ「A」または、ルータ「B」のいずれかを撤去し、残ったルータに「PPPoE設定」をするか、
もしくは、以下のように、ルータ「B」を、AP(アクセスポイント)モードにするしかありません。

AP(アクセスポイント)モードになると、有線・無線の受口のみとして機能します。
結果、ルータ「A」からのセグメント環境(例では「1」)となるので、インターネットが可能となります。
なお、ルータ「A」からのLANケーブルを、ルータ「B」のWANポートに接続した場合は、
ルーティング機能によって上記構成でインターネット可能ですが、パフォーマンスの点では
お勧めしません。 |
※ かんたんセットアップ4以降が搭載されたルーターはパフォーマンスが向上しているため、
二重ルーターでも問題ありません。
ご参考:二重ルーターでも大丈夫?
先に説明した、AP(アクセスポイント)モードとは、ルータとしての以下機能を、
完全に封印する イメージとなります。
アクセスポイント モード |
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1.「WAN IP」の一元管理はできません。 |
2.自分に接続された端末に「LAN IP」(例:192.168.2.xx)を付与しない。 |
3.有線・無線の受口。ただの「ハブ」になります。 |
ご参考:APモードとは?
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